オランジュリー美術館 · 78/122

パリ · 絵画

ルノワール、庭のガブリエル

オランジュリー美術館 · パリ, フランス

オランジュリー美術館
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晩年の作品らしからず、久しぶりに屋外で描かれた一枚である。赤系統で塗られたガブリエルの上着は、ルノワール晩年の画風を示すと同時に人物をより際立たせ、印象派らしい感覚でとらえた木陰の表現が、この絵が戸外で描かれたことを自然に伝えている。

ガブリエルはルノワールと深い縁で結ばれた人物だ。ルノワールの妻のいとこであった彼女は、次男ジャンが生まれたときから約15年間、ルノワール家に住み込みで子守として働いた。16歳でルノワール家に入り、31歳になるまで子どもたちの世話をしたガブリエルは、育児にとどまらず、絵画制作を手伝う助手兼モデルとしても活躍した。リウマチで筆さえ握れなくなったルノワールのために、手に紐で筆を結びつけたのもガブリエルであり、彼女がモデルとして登場する作品は200点を超える。次男ジャンを実質的に育て上げたガブリエルが、のちにアメリカへ移住する際には、ジャン自身も彼女を追ってアメリカへ渡った。

のちに著名な映画監督となったジャン・ルノワールは、幼い頃ガブリエルに連れられて通った映画館が自分を映画監督へと導いたと語るほどで、ガブリエルは彼にとって母親同然の存在だったのである。

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