パリ · 絵画
ユトリロ《ヴェルノの家》
オランジュリー美術館 · パリ, フランス
《ヴェルノの家》は《国旗の掲げられた市庁舎》とともにユトリロ晩年の画風に属する作品で、多彩な色を用いたことから「多色の時代」と呼ばれる時期に描かれました。背景となっているのはモンマルトルの丘にあるモンセニ通りで、絵の右側には丘の頂にあるサクレ・クール寺院の姿が一部のぞいています。
当時ユトリロはアルコール依存症の治療のため入院しており、この絵を屋外で直接描くことはできませんでした。代わりに絵葉書に写ったモンセニ通りの様子を見ながら、自身の記憶を重ねて仕上げた作品です。モンマルトルを訪れればモンセニ通りは必ず立ち寄る場所なので、そこを歩くことがあれば、この絵をふと思い出してみるのも良いでしょう。
なお、この絵は1924年に描かれたもので、現在その通りを訪れてもヴェルノの家はもう残っておらず、通りの景観も当時とはかなり変わっています。
iPhoneでスキャン