ルーヴル美術館 · 13/13

パリ · 彫刻

口づけで目覚める愛、カノーヴァの《プシュケとアモル》

プシュケとアモル · パリ, フランス

プシュケとアモル

《プシュケとアモル》は、イタリア最高の彫刻家の一人に数えられるアントニオ・カノーヴァの作品だ。人間が到達しうる絶対的な美を追い求めたカノーヴァは、彫刻に取りかかる前にまず絵を描き、粘土や石膏で段階を踏んで仕上げてから、ようやく大理石での制作に入ったと伝えられている。\n\nこの彫刻は古代ローマの作家アプレイウスの小説を題材にしている。翼を持つ人物が愛の神アモル(ギリシャ神話ではエロス)で、彼に口づけされている女性が妻プシュケだ。美しい王女プシュケに嫉妬した美の女神ヴィーナスは、息子アモルに彼女を罰するよう命じたが、当のアモルはプシュケに一目で恋に落ち、密かに結婚してしまう。ただし条件が一つあった。プシュケは決して夫の顔を見てはならないというものだ。姉たちにそそのかされ、こっそりろうそくを灯して夫の顔を見てしまったプシュケは、誤って蝋を垂らしてしまう。驚いたアモルは約束を破られたと怒り、去ってしまった。\n\n夫を取り戻すため、プシュケは義母ヴィーナスが課した四つの試練に挑むことになるが、この彫刻はその最後の試練でプシュケが意識を失って倒れた際、アモルが口づけで彼女を目覚めさせる瞬間を表している。白い大理石で作られているため、時間や光の当たり方によって彫刻の表情が異なって見えるのも、この作品の魅力の一つだ。

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