パリのピカソ · 22/27

パリ · 絵画

戦争を告発した『朝鮮の虐殺』

ピカソ美術館 · パリ, フランス

ピカソ美術館
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『朝鮮の虐殺(Massacre en Corée)』は、朝鮮戦争を題材にしたピカソの作品です。第二次世界大戦が終わり、パリが完全に解放されると、ピカソのもとには友人や支持者が次々と訪れ、誰もが彼の無事を喜んだといいます。その後、ピカソはフランス絵画の巨匠としていっそう揺るぎない地位を築き、フランス芸術と解放の象徴にもなりました。戦争と平和は、その後もピカソの作品に繰り返し立ち現れる題材であり、この作品もそのひとつです。

作品の背景は、1950年に黄海道の信川(シンチョン)地域で起きたとされる大虐殺、すなわち朝鮮戦争の惨状です。画面の左側では、女性が子どもを抱いて泣いています。あきらめたように目を閉じ、驚いて逃げ出す子どもや、状況を理解できないまま土をいじっている子どもたちの姿もあります。反対の右側には、裸の人々に向かって、ロボットのように立って銃を構える兵士たちがいます。この兵士たちが誰なのかははっきり描かれておらず、米軍なのか北朝鮮軍なのかさえ見分けがつきません。ピカソが共産党に入党していたことから、米軍による虐殺を描いたものだとする意見もさまざまありますが、はっきりしたことは分かりません。大切なのは、誰が虐殺したかではないのでしょう。大国が韓国という弱小国を戦場にし、罪のない犠牲者を虐殺する蛮行。『ゲルニカ』と同じ文脈で、戦争の残酷さと惨状を伝えようとしたのではないでしょうか。先に見た『死者の頭』や『ゲルニカ』に続くこの作品からも、ピカソがどれほど戦争について絵で語りたかったかが伝わってきます。

先ほど、ピカソはその名声のおかげでナチスに簡単には逮捕されなかったとお話ししました。しかし、最も身近な人物のひとりだったマックス・ジャコブは違いました。ピカソが若い頃から親しくしていた友人であり仲間だった彼は、のちにゲシュタポに逮捕され、捕虜収容所で亡くなったのです。その知らせを聞いたピカソの胸は、どれほど痛んだことでしょう。戦後も戦争と平和をテーマにした作品を数多く残したのは、そのためではないかと思われます。

最後に、ピカソの言葉を紹介して、この作品の解説を締めくくります。「芸術家とは、政治的な存在であると同時に、悲惨な状況や世の中のあらゆる逆境、そして喜びにも共感でき、自分のやり方で世界をつくり出すこともできる存在です。そうである以上、芸術家がどうして他人に無関心でいられるでしょうか。どんな度胸があれば、普通の人々とは違って、世界に無関心でいられるというのでしょうか。いいえ、絵は決してアパートを飾るために描くものではありません。絵は、敵と戦うための攻撃の武器であり、防御の武器なのです。」

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写真は ウィキメディア・コモンズ より。撮影:GFreihalter(CC BY-SA 3.0)。

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