パリ · 街歩き
モンマルトル――芸術家たちの丘
パリ · パリ, フランス
パリ旅行の話になると、「パリでどこが一番好きですか」とよく聞かれます。筆者の答えは、いつもためらいなくモンマルトルです。
モンマルトルはパリで最も高い丘で、その名は「殉教者の丘」を意味します。ローマ支配の時代にキリスト教徒が殉教した場所であることから、この名がつきました。とりわけ、聖ドニがここで首をはねられたあと、自らの首を抱えてパリ北部、現在のサン=ドニ大聖堂がある場所まで歩いていったという伝説が残っています。キリスト教への迫害が終わると修道院や教会が建てられ、現在の姿になりました。
19世紀になるとピカソ、ロートレック、モディリアーニ、ゴッホなど多くの芸術家が集まり、モンマルトルは自然とパリの芸術文化の中心地になっていきます。画家だけでなく文学者や音楽家もここを拠点に活動し、ダリダやエディット・ピアフといった歌手たちのエピソードにも出会えます。通りを歩けば、ゴッホが暮らした家、モーリス・ユトリロが住んでいた家を改装したカフェ「メゾン・ローズ」、エディット・ピアフが歌ったキャバレー、ダリダの像、ピカソやモネ、ルノワールが通ったというレストランが次々に現れます。想像するだけで胸が高鳴る場所です。
モンマルトルは今も「パリの芸術の中心」と呼ぶにふさわしく、大勢のアーティストが活動しています。路地を歩きながら、昔の画家や作家の足跡、殉教の地の名残、そして今も制作を続ける画家たちの姿を探してみる――そんなモンマルトル巡りを始めましょう。
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