パリ · 街歩き
コロンバージュ、中世の木造建築が珍しい理由
マレ地区 · パリ, フランス
フランソワ・ミロン通りを東へ歩きます。バール通りを出て右に曲がればOKです。数歩進むと、ひと目で古いとわかる家がまた現れます。木の構造が外に見えるこの家は、典型的な中世の建築で、「コロンバージュ(colombage)」と呼ばれる木造建築です。コロンバージュとは、木材で骨組みをつくり、すき間に石、土、漆喰、レンガなどを詰めて建てた家のことです。
パリでは、とくに木造建築を見つけるのが容易ではありません。先ほどお話ししたとおり、19世紀のパリ大改造で多くの建物が取り壊されて建て替えられたこともありますが、1666年のロンドン大火の影響も大きいのです。1666年9月2日、パン工場から出た火は、ロンドン市内へ燃え広がって5日間続き、街全体が灰になりました。当時のイギリスには木造の家が多く、被害は甚大で、人口8万人のうち7万人が家を失ったといわれています。この大火に衝撃を受けたフランスは、翌1667年からパリでの木造住宅の建築を禁止し、すでに建っていた木造建築には、火災予防のために壁に石灰と漆喰を塗りました。
フランソワ・ミロン通りのこの中世建築は、何度かの修復を経て、木の構造が再び外にあらわれるようになったものです。
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