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瀕死の奴隷

ミケランジェロ ルーヴル美術館 ドゥノン翼, 部屋 403

瀕死の奴隷 — ミケランジェロ

今ご覧いただいているこの二つの彫刻は、ミケランジェロが制作した《奴隷像》です。

この二つは、それぞれ生と死を意味しています。

ではここで一つクイズを出します。

この二つのうち、どちらが「死」を意味しているでしょうか?

目の前の二体のうち、左か右、どちらかを選んでみてください。

選ばれましたか?

多くの方は、左は死にたくなくて抵抗している姿に見えるため「死」だと答えられると思います。

また右側は穏やかに目を閉じている様子から「せい」だと答えられます。

正解はその逆なんです。

左が「せい」、右が「死」を意味しています。

左の彫刻は、死ぬのが怖く、あがく姿ではなく、

そくばくから抜け出し真のせいを得るためにもがく奴隷を表し「反抗する奴隷」と呼ばれています。

右は眠っているのではなく、死を通して逃れられなかった奴隷の人生から解放されていく姿を表しており「瀕死の奴隷」と呼ばれています。

では、彫刻を見ていきましょう。

どちらも大理石で作られています。

「瀕死の奴隷」の彫刻を見ると、大理石であることが一目でわかります。

表面も非常になめらかで柔らかい印象を受けます。

一方、「反抗する奴隷」の彫刻は、よく見ると石にひびが入っています。

これは、ミケランジェロがこの作品のために大理石を入手する際、理想の石を確保できず、割れ目のある大理石に彫刻せざるを得なかったためです。

また、表面も「瀕死の奴隷」に比べてかなり粗く仕上げられています。

そのため当初は未完成の作品だと考えられていましたが、近年では意図的に粗く仕上げたのではないかという見方も出てきています。

ただし、ミケランジェロの正確な意図はわかっておらず、あくまで推測に過ぎません。

では、ミケランジェロはなぜこの彫刻を制作したのでしょうか?

これについては、私たちは知ることができます。

バチカンで天井画を依頼した当時の教皇であるユリウス2世の依頼であり、

ユリウス2世が亡くなった後、その墓を装飾するためこの彫刻は作られました。

しかし、彫刻が完成する前にユリウス2世は亡くなってしまいます...

そして亡くなった後、墓自体も当初の計画より縮小され彫刻を置く場所がなくなってしまいました。

そのためミケランジェロは、これらの彫刻をフィレンツェのストロッツィ家のロベルト・ストロッツィに贈ります。

その後、ストロッツィはフィレンツェでメディチ家に押されてフランスへ逃れその際にこれらを持っていき、後にフランスの宰相であったリシュリュー家に売却しました。

そして最終的にこれらはフランスの国有財産となり、現在ではこのようにルーヴル美術館で見ることができます。

また、ミケランジェロが追加で制作した4体の奴隷像も存在します。

これらは確かに未完成の作品であり、

その4体はイタリア・フィレンツェにあるアカデミア美術館に所蔵されています。

アカデミア美術館には、ミケランジェロの代表作であるダビデ像もあるんです。

ですのでフィレンツェに行かれる方は、ぜひアカデミア美術館を訪れてみることをおすすめします。

それでは、すべてご覧になった方は、私と一緒に次の場所へ移動しましょう。

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