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タンギー爺さんの肖像

ゴッホ ロダン美術館 2階, 部屋 12

タンギー爺さんの肖像 — ゴッホ

今ご覧いただいている作品は、フィンセント・ファン・ゴッホが描いた《タンギー爺さん》です。

画面の中央には、一人の男性が座っています。

この人物は、一八九〇年代のパリの美術界でよく知られていた人物、ペール・タンギーです。

タンギーは、パリのピガール広場近くで画材店を営んでいました。

画家にとって絵の具は欠かせないものだったため、自然と多くの画家たちと親しい交流を持つようになりました。

彼と親交のあった画家には、モネ、ルノワール、ピサロ、セザンヌ、そしてゴッホなど、今日でもよく知られている画家たちがいます。

タンギーは彼らと交流する中で、自分なりの方法で画家たちを支えていました。

画材店を営んでいたこともあり、絵の具を無償で提供したり、画家たちの作品を店内に飾って、多くの人に見てもらえるようにしていたのです。

そんなある日、店を訪れたゴッホは、日頃の感謝の気持ちを込めて、タンギーの肖像画を描きました。

ゴッホがタンギーを描いた肖像画は、全部で三点あることが知られています。

そのうちの一つが、今ご覧いただいているこの作品です。

それでは、作品を見ながら詳しくご紹介していきましょう。

ご覧いただくと、中央に座っている男性がペール・タンギーです。

その後ろには、日本を象徴するポスターが数多く貼られています。

この時代、ヨーロッパでは日本文化が爆発的な人気を集めていました。

そのため、多くの芸術家たちは日本の絵画や浮世絵版画を収集し、そこから大きな影響を受けていました。

ゴッホもその一人でした。

そのためゴッホは、タンギーを描く際にも、まるで東洋の賢者のような雰囲気で表現しています。

さらに背景には、富士山や芸者など、日本を象徴するモチーフが数多く描かれています。

また、技法に注目すると、ゴッホはこの作品で補色の組み合わせを巧みに用いています。

さらに、ゴッホならではの厚く絵の具を塗り重ねる「アンパスト」の筆致も見事に表現されています。

そのため人物に力強い立体感が生まれており、私はゴッホの隠れた傑作の一つだと思っています。

ロダンもこのようなゴッホの画風を大変気に入り、タンギーの死後、この作品を購入しました。

それでは、ゆっくりご鑑賞いただき、ご覧になりましたら次の作品へ移動しましょう。

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